「上野地区の産廃施設建設計画」に関する公開質問状に ご回答の御礼と報告

2023年10月3日

「上野地区の産廃施設建設計画」に関する公開質問状に
ご回答の御礼と報告

産廃施設建設を考える会会長
谷村正典

拝啓
時下 皆様方におかれましてはますます御清栄のこととお喜びを申し上げます。
日頃の町議会議員としての取り組み,本当にお疲れ様です。町民のために日夜奮闘されているお姿に敬意を表します。
先般依頼しておりました公開質問状へのご回答ありがとうございました。
「わかりづらくご回答しづらかった」との意見も頂戴しました。お詫び申し上げます。
議員の皆様全員からのご回答かなわず残念に思います。
また,環境アセスメント方法書への意見書書きに忙殺されておりまして,ご報告が遅れましたことを重ねてお詫び申し上げます。
いただきましたご回答を別紙のとおりまとめてみました。ご覧下さい。
いただきましたご回答につきましては,「考える会」のホームページに公開させていただくとともに,広く町民に知らせる方法をとらせていただきます。
併せまして先日の9月26日熊本テルサでの環境アセスメント審査会の報告ダイジェスト版も同封しております。
感動的な審査会でした。こちらもご覧下さいませ。
最後になりましたが,皆様のご健闘をお祈りいたします。
敬具

 

 

 

 

公開質問状 回答※敬称略

1 計画変更に関する住民説明会は5回開催されましたが、十分に説明されたとお考えですか。※環境アセスメントでも1回
A はい ( 森田 成瀬 岩永 藤川 作田 )
B いいえ( 田上英 )
C その他( 中城 井藤 田上忍 宮川 )
2 今回の計画変更(一般廃棄物処理施設から産廃処理施設へ)については変更の過程に問題があると思いますが,どう思われますか。
A 問題がある ( 田上英 作田 )
B 適正であった( 森田 岩永 藤川 )
C その他   ( 中城 成瀬 井藤 田上忍 宮川 )
3 環境アセスメント配慮書の中で「ゼロオプションは検討しない」とありましたが、これについてどのように思われますか。
A 問題がある ( 中城 田上英 岩永 作田 )
B 適正である ( 森田 藤川 )
C その他   ( 成瀬 井藤 田上忍 宮川 )
4 御船町の恐竜卵殻化石発掘の記事が出ました。天君ダムは至近です。
環境アセスの審査委員会では、土器の欠片発見、遺跡の可能性も言及あり。
野鳥の会審査委員からは絶滅危惧種クマタカの生息可能性ありとの事。
予定地周辺の地質は阿蘇4火砕流堆積物で崩れやすいとの専門家の意見。
自然環境や文化遺産は十分な調査が必要と思いますがどう思われますか。
A そう思う (中城 田上英 岩永 作田 宮川 )
B アセスに任せる(森田 成瀬 藤川 )
C その他(成瀬 井藤 田上忍)
5 地下水一日250トンの利用についてどう思われますか。
(下流域への影響、水質汚染など)
A 問題がある   ( 中城 田上英 作田 )
B 影響はないと確信( 岩永 )
C その他     ( 森田 成瀬 藤川 井藤 田上忍 宮川 )
6 一日往復660台のトラック・運搬車が行き来することをどう思われますか。
A 問題がある     ( 中城 田上英 岩永 作田 )
B 影響はないと確信  ( 0 )
C その他       ( 森田 成瀬 藤川 井藤 田上忍 宮川 )
7 ゴミ焼却は地球環境を守るという視点から全国的にいや世界的に見直されています。九州にも水俣市や大崎町(鹿児島)など先進的な自治体の取り組みがなされています。これらに学ぶことは考えられませんか。
A 学ぶべき   ( 中城 田上英 岩永 作田 宮川 )
B 独自路線でよい( 森田 藤川 )
C その他    ( 成瀬 井藤 田上忍 )
8 先議会において一般廃棄物処理費用が現在の費用に対して、熊本市に依頼すれば2分の一で済むとの事が明らかになりました。財政困難を理由とした今回の計画変更は、説得力をなくしていると思いますがどうでしょうか。
A そう思う  ( 田上英 )
B また別の問題( 中城 森田 成瀬 岩永 藤川 作田 宮川 )
C その他   ( 井藤 田上忍 )

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

自由記述
作田 豊明 議員
上益城5町が民間事業者主体で御船町上野に整備予定の産業廃棄物処
理施設の建設について用地買収が進められ、現在では、地元施設建設の御
船町が主体となり、環境アセスの配慮書・方法書・準備書・評価書と進めてい
かれます。
住民から様々な意見を受け、丁寧な説明等により、「周辺環境・水質汚染・
安全対策 等」を後世に禍根を残す問題がないように議論すべきである。
行政側と業者間でも、これまでの約2年間の説明会等や年初めからの配
慮書の意見聴取の段階での準備段階で不手際があり、 色々なご意見と要望
が出されております。
また、 執行部での「地域活性化協議会」の設立や担当部署での 「専門的な
プロジェクトチーム」の動きが、 議会側に伝わっていない状況にあります。
このことは町民を代表する私たち議員が、 しっかり意見しながら、議員各
自が勉強する必要があります。
今後は専門家をお招きして御船町の地下保全の(地質・水脈) 環境汚染・
大気汚染等研修会等を開催して自己啓発に努め、全国の廃棄物施設の現状
を再度、研鑽してデメリットを洗い出し、 「未来の御船町」の将来を見通し、 町
民に安心・安全な生活環境で地域住民は勿論、町への経済効果と税収アップ
の繋がる 「施策・政策」を行政側に提案できるよう、自己研鑽と議会での共
有化を図り、議論できる議会改革に取り組んで参ります。
最後に、一番大切なのは、 熊本県と広域連合の役割と責任をしっかりと協
議・議論して必要があります。

井藤はづき 議員
1 説明は十分かの問いに対して
「説明会」という形式に限らず説明を求める住民には引き続き丁寧な説明を行うことを期待する。
2  計画変更過程に対して
現在変更の最中であり問題の有無や大小、対策の可否について慎重に判断されるよう注視が必要である。
3 ゼロオプションに対して
廃棄物の中間処理やエネルギーの回収等の、この事業目的がこの施設を建設しないことで果たせないという意味だと理解している。
4 地質・自然環境・文化遺産に対して
アセスで十分な調査が行われるよう注視する必要がある。
5 地下水問題に対して
地下水の利用量の多少に関わらず影響が最小限に抑えられるべき。
6 交通問題に対して
交通安全や道路の維持管理、排気ガスなど、あらゆる影響を想定し対策すべき。
7先進地に学ぶに対して
ゴミの分別や削減の方法については国内外のあらゆる先進事例を参考に研究し進めていくべきと考える。
8 熊本市依頼に対して
自治体は一般廃棄物の処理責任があり、単独の自治体での運営が難しい場合近隣の自治体と「一部事故組合」をつくって共同で運営できる。現に単独で運営できている熊本市が新たに御船町と一部事務組合を組織し共同で廃棄物処理を行うメリットを生み出すのは難しいと考える。

中条 峯雄 議員
1 十分とは言えないが方向性は示されたと思う。
2 広域連合で進められており、既に97%超が取得済みです。しかし地権者は一廃建設のため土地を手放したものであり、各町の財政悪化で産廃に変更されたことは再度地権者の承諾が必要ではないか。
3 問題がある。詳しいことはわからないが事業目的が達成可能というのは事業者の一方的判断ではないか。
4 そう思う。専門家の意見を聞いて対応していくことが必要である。
5 問題がある。地下水保全の対策が必要。(再利用や地下水涵養)
6 問題がある。県と協議の上道路改良工事が必要。
7 学ぶべき。
8 また別の問題。熊本市への依頼は一時的措置であり上益城5町の自前施設は必要と考える。
現段階で私は賛成とも反対とも言えない。なぜばら上記の問題があり、このことは専門家や県の意見を聞いて進めるべき。とりわけ地下水汚染は、地下水が上益城・熊本市の水脈が水盆となっていることから慎重に慎重を重ねた水処理が重要である。
(要監視)
ただこの事業が中止となった場合、産廃施設はどこに造るのか、企業が生産活動を行う上で産廃処理は不可欠だし一般家庭からも廃油等産業廃棄物が出る。人間社会のSDGSはどうなるのか。
また125千㎡の用地97.7%が取得済みであり建設が中止となったら広域連合の不良資産として残り、当然この土地の維持管理費が発生する。また地権者であった方々の苦情も殺到するであろう。
私自身は25年前に光ケーブル敷設のため既存ケーブルを撤去し大量の産廃処理に奔走した経験がある。

清水 聖 議員
自然を壊すのは人間。原爆や原子力発電(ウラニュウム)枯葉剤・水銀・等々化学に汚染され原因不明の病で苦しむ人たちがいる。
御船町に進出の産廃施設、三重県の産廃跡地を見てきた。花や木を植え公園化されきれいに整備されていた。今は良いかもしれないが数年後はどうなるのだろうか。水を花や木にかける、水は地下に浸透していく。水は流さないと言っているが上から降ったのは地下に浸透する。どうやって止めるのか不可思議。
どうしても必要となり施設を造らなければならないとき、できるだけの条件を突き付ける。
・ マミコウロードを県道に
・ 年1回の立ち入り調査
・ 設門、撥水の流れ、水質検査その他
自然を守るのも人間、後世に誇れる御船町を、今私たちにできることをしっかり受け止めていく。

田上 英司 議員
一般廃棄物処理施設建設から産廃処理施設が計画変更されていたことは、住民無視で行政の独断専行に加えて、藤木町長の「黙っていてもよかった」との発言、これが紛争の原点である。

岩永 宏介 議員
何事も批判的精神で考察してきましたので、この問題についてもそのように対処してまいります。
福永 啓 議員
1:C その他
理由
計画変更に関する住民説明会についての受け止めは、 住民・議員個人でも受け取
り方が違うものであり、一概に回数や内容のみをとって、 十分である、不十分で
あるとの判断は難しいと考えます。 今後とも引き続き丁寧な説明が必要である
と考えます。
私個人の受け止めとしては、これまでの説明会においては、 おおむね適切な説明
があり、 一部理解に苦しむ説明については一般質問等において質問するなどし、
おおむね理解をすることができたと感じています。 しかし、これらはすべて、い
わゆる計画変更を推進している側の根拠等に基づいた説明であることから、 議
会としては、 逆の考え方を含む多様な観点からの検証、 専門的知見を活用した研
究等が必要であり、それがなければ、十分、不十分の判断も難しいと考えます。
2:C その他
理由
計画変更の過程について、 議会等における説明によれば…..
① まず、熊本県から紹介のあった事業計画について、 そもそもそれが、 検討に
値するものかどうか、協議に値するものかどうか、見極めが必要なことから、
県担当者と5町の町長部局のみで調査・協議を進めていた。
② 調査・協議の結果、 県から紹介された事業計画は十分、事業会社との協議に
値する計画であると判断したので、関係各所との情報共有を図り、 新たな事
業計画について、事業会社と協議を始めること等の説明を住民や議会に対し
て行う準備をしていた。
③ そこに、先行して意図しない形でのマスコミ報道があり、町民や地域住民の
方々に誤解や憶測を生じさせることになってしまった。
とのことでした。
まず、①については、 住民や議会に対する説明に際しては、説明する側が一定程
度の理解をしていたければ説明自体が難しいこと等から、 適切であった考えて
います。②については、関係各所との情報共有を図ると同時に、 住民や議会との
情報共有を図るべきだったと考えます。 もしそれができていれば、 ③のような事
態は起こり得なかったと考えられることから、 情報共有の時期については、反省
する必要があると考えます。
3:C その他
理由
環境アセスにおけるゼロオプションとは、 環境アセスの対象事業の目的が、 その
事業を行わなくても達成される場合に検討される項目であると理解しています。
今回の環境アセス対象事業の目的は、主に、 上益城5町の一般廃棄物の処理、産
業廃棄物の処理、エネルギー回収事業等ですので、 どのような形にせよ、 事業目
的達成のためには、何らかの施設整備等の事業が必要なことから、 環境アセス上
では、「ゼロオプションは検討しない」 となっていると理解しています。
「ゼロオプション」はあくまでも環境アセス上の検討項目であり、今回の事業実
施ありきの項目ではないと理解しています。
4:C その他
理由
基本は、ご懸念のようなことを調査するのが環境アセスの役割であると考えま
す。
一方で、 議員を含めほとんどの町民は、 専門知識を持ち合わせていませんので、
特に議員は、 適切な環境アセスが行われているのか、 環境アセスをどう評価すれ
ばよいか等に関する勉強及び検証をする必要があると考えます。
また、以前の計画においても立地決定の際には、専門家を交え、 熊本地震の影響
も勘案し、立地に関する審査会が開かれています。 その審査会で、現在の場所が
適切であるとの答申が出ていますので、 その内容についても考慮する必要があ
ると考えます。
5:C その他
理由
1日250トンについては、 それが最大取水量なのか、 平均どの程度くみ上げる計
画なのか、多量にくみ上げる時期はいつか、などによって、影響は変わってくる
と思います。
しかし、いずれにせよ、 環境アセスにおける揚水検査等を行ったとしても、 周辺
の地下水に対する懸念が完全に払しょくできるものではなく、 雨水利用等を考
えるなど、 地下水の利用は出来る限り抑制されるべきものと考えます。
6:C その他
理由
運搬車両による環境への影響については、 環境アセス上で調査されると理解し
ています。 660台と言われる運搬車両が、 実際の運行上どのように分散されるの
か定かではありませんが、いずれにせよ、現状より通行量が増えることは明らか
ですので、何らかの対策が必要だと考えますし、その認識は、町執行部も同様だ
と考えます。 交通量の問題に関しては、 環境アセスの調査に注視し、必要な対策
が講じられるよう、議会として執行部に提言していかなければならないと考え
ます。
7:A 学ぶべき
理由、
家庭ごみの処分も産業廃棄物の処分もリサイクルやリユースが優先されるべき
であり、 リサイクルやリユースの先進事例は積極的に学ぶ必要があると考えま
す。 一方で、 設問の初めにあった、 ごみ焼却が世界的に見直されている・・・という
指摘は正確性を欠くのではないかと考えます。
私は、 ごみ処理の分野では総合的なアプローチが求められていると理解してい
ます。
リサイクルやリユースの推進が優先されるべきですが、残りの廃棄物について
は、埋め立てのみに頼るのではなく、環境に配慮された最新の焼却施設を利用す
ることで、 埋め立ての量を減らす取り組みも重要であり、焼却から得られるエネ
ルギーを再利用し、 持続可能なエネルギー源として活用することも望ましいと
考えます。 また、 焼却残渣のリサイクルも必要であると考えます。
8 :C その他
理由
議会での執行部答弁は、単に熊本市において、 熊本市民が廃棄物を処分する際の、
市条例上の単価について答弁があったものであり、 御船町が熊本市に委託した
場合の廃棄物処理費用ではありません。
ですので、設問にある 「一般廃棄物処理費用が現在の費用に対して、 熊本市に委
託すれば二分の一で済む・・・」 といった部分は当たらないといえます。
令和7年度から当面の間、御船町の一般廃棄物の処理を熊本市に委託すること
になっていますが、 実際の費用については、 執行部から、 まだ決まっていないと
の説明を受けています。
法律上、 自治体内で出た一般廃棄物は、その自治体が処理するか、周辺自治体と
一部事務組合などを設立し、 共同で処理しなければなりません。
単独で一般廃棄物の処分能力を持つ熊本市と御船町などがごみ処理に関する一
部事務組合を設立することは現実的には想定しづらく、 熊本市に委託するのは
あくまでも当面の間・・・ とならざるを得ません。
また、 他自治体に対して、 恒久的に処分を委託することは、 域内処理の原則にも
反することから、法律上想定されていないと理解しています。
町は今回の計画変更理由を一貫して「財政面のみならず、環境及び地域活性化に
おいても、以前の計画に比べより良い計画であるので、計画の変更を検討した・・・・」
などと説明しています。
もし、本当により良い計画変更であるのならば、計画の変更自体、必要な計画変
更といえますので、議会としては、 「本当にそうですか?」 「こうすれば本当によ
り良い計画変更になるのではないですか?」などといった観点からの検証や提
言が必要だと考えます。
いずれにせよ、 一般廃棄物も産業廃棄物も、 私たちの社会生活の中で、必然的に
生み出されるものです。
まさに皆様の生活に密着した課題であり、 廃棄物処分施設整備が予定されてい
る地域のみの課題ではなく、町全体の課題であると考えます。

 

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